野上明人税理士事務所
● 顧問料に関して
Q : 現在顧問契約をしている税理士についてなのですが、顧問料金5万円、決算12万円です。これは高いと感じるのですが相場としてはどうでしょうか。
現在の状況としまして、売上1億5千万程度のサービス業です。事業所は東京23区内の本社のみで、従業員は8名です。会計ソフトは使っておらず、毎月領収書や請求書を渡すだけで、丸投げ状態です。設立からの付き合いですので、特に変えようと思ってるわけではなのですが、高いと感じた為、他の税理士に依頼した場合はどのくらいになるか知っておきたいです。
また顧問料を下げる際、どのように交渉したら有利に話が出来ますでしょうか?
A : 回答させていただきます。
私は地方で開業しております。よって東京の税理士報酬の現状については、正直なところ分かりません。
2002年以降、いわゆる小泉改革の流れだと思うのですが、税理士報酬は自由裁量となりました。つまり、それ以前はカルテル価格、それ以後は自由競争価格です。聞いているところでは、最初に大阪から価格競争がはじまり、大都市部では随分報酬金額が下がってきているとのことです。それからすると、年額72万円は高いのかもしれません。
しかし、税理士業務もサービス業ですから、不満があればほかを探すのはもっともな選択でしょう。
また、顧問はそのままでということであれば、よそで見積もりを取って、その見積書を提示して値下げ交渉を行なうという、古典的な方法でよいのではないでしょうか。あくまでも、やんわりと、です。見積もりはネット上からでも簡単に取れるでしょう。ただし、価格優先というよりは、価格はもちろんですが相性のよさそうな事務所を探してみてください。安くても対応が遅いとか、すぐに疑問が解決できないというのでは、どうしようもありません。
ちなみに、当事務所では年額48万円相当と考えます。これは記帳から年末調整、決算申告及び税務相談等のすべてを含んでいる価格です。
● 副収入について
Q : 現在、会社の正社員として働いております。
給与30万円でボーナスなし。家族生活が苦しいので、今年1月よりネットでの副業を始めまして、年間20〜30万円程の所得を見込んでおります。確定申告しなくてはいけないことはわかっております。
そこで、疑問が2つございます。
1. 副業で稼いだ収入が他人(税務署など)が把握できるものなのでしょうか?
また、逆にどうしたらバレてしまうんでしょうか?
2. 正社員で働いている会社に副業をしている事を知られずに確定申告する方法はあるのでしょうか?
なお、今後もこの副収入は続けていく予定です。
ご教授の程お願いいたします。
A : 回答させていただきます。
1.税務署は把握できます。
これから始まるマイナンバー制度で、所得はガラス張りになる、と考えてください。
ただし、年額20〜30万円の所得ですと、税額にして数万円程度だと思われますが、税務署の担当者がそこを追及するかどうかは本人次第ではないでしょうか?ネットでの売買は把握されにくいものでしたが、まったくバレないというものではありません。
どうしてバレるかですが、ヤフオクなどの運営者に税務署が協力要請した場合、その運営者はどうすると思われますか?「泣く子と地頭には勝てない」というのは、鎌倉時代から現代までの、不変の真実だと私は思います。
2.確定申告はバレません。
確定申告は、税務署(国)に対してするもので、会社に出すものではありません。内容に疑問がある場合も、税務署職員があなたの会社に照会することはありません。仮にそのようなことがあったら、損害賠償の裁判も有利に進められると思います。
ただし、副業が会社の就業規則に違反する場合は、懲戒の対象になりますので、お含みおきください。
● クレジット払いについて
Q : お世話になります。
小さい会社でIT関係の管理をさせて頂いております。サーバーなどを契約する場合、クレジットカードで決済をする事が多いですが、法人カードが無い為、個人のクレジットカードでサーバー費用などを支払っています。経費として計上できると思いますが、どう処理をすればいいのかがわかりません。助けて頂ければ幸いです。
宜しくお願いします。
A : 回答させていただきます。
法人カード、個人のクレジットカード、ともに経費として計上できます。
ただし、カードを使用した際に渡される明細書も保管してください。
仕訳に必要な内容は4点です。日付・金額・支払先・支払内容です。
例えば、
7月20日/84000円/ヤマダ電機/NECノートパソコン
といった具合です。
勘定科目はこの場合「消耗品費」になりますが、勘定科目に決まりはありません。
慣例的に使われている名前でいいので、他には「事務用品費」でもいいかもしれませんが、「水道光熱費」ではおかしくなります。
一つ注意すべきは、金額が一定額、例えば10万円とか20万円、30万円で線引きされていて、一度に経費に出来ない場合があります。このような場合は、いったん「器具備品」などの資産として計上して、決算でその一部の金額を「減価償却費」として費用に計上します。
書店にもこのような事例を扱った書籍がたくさんありますので、一読いただければご理解いただけると思います。
● 事務所購入について
Q : 事務所としてのマンション購入について
インターネットでECショップの会社設立を考えています。
私が代表予定ではありますが、収入として月給約5万円ほどの見込みのため主人の扶養に入っています。
今回事務所としてマンションの購入を考えていますが、名義をどうするか悩んでいます。できれば私の個人名義で購入して会社に貸すような形が望ましいのですが、その際の家賃収入は私の所得となるのでしょうか?
A : 回答させていただきます。
個人名義の事務所を法人に貸せば、家賃収入は不動産所得となり、受取る本人がその会社役員であれば、金額のいかんにかかわらず確定申告義務が生じます。また、役員個人と同族会社間の取引については、時価(相場)を無視した金額では問題になります。
具体的には、
相場より高く貸した場合・・・不動産所得が多くなると同時に、法人の経費として認められないことがあります。
相場より安く貸した場合・・・安くなった部分は、法人の収益とみなされることがあります。
明確な区分はありませんので、周辺相場での賃貸が基本になります。
余計なことですが、収入として月額5万円で、法人設立のメリットが理解できません。
設立にも解散にも費用がかかります。税理士報酬も法人は個人より高額です。
会社設立は年額で1000万円程度の利益が見込めるようになってからでも遅くはないものと思われます。
それまでは、個人事業でよろしいのではないでしょうか?
● バイト収入について
Q : バイトをして会社にばれない方法
自分は、今年会社に入社したばかりですが、今の給料に満足できずバイトを始めました。また私は名古屋市内に在住しています。どうかばれない方法を教えてくださいよろしくお願い致します。
A : 回答させていただきます。
最初にお断りしますが、「ばれない方法」はお教えできかねます。
税理士が脱法行為・違法行為に加担すれば懲戒処分の対象になります。
最悪、税理士登録が抹消されてしまいますので、ご勘弁願います。
さて、バイトをして受け取るバイト代は、給与所得になります。会社で働いてもらう給料も給与所得です。これにより、双方一年分の給与所得の合計額を基にあなたの所得税額が計算されます。
会社とバイト先がまったく別法人であれば、会社があなたのバイトをすぐに把握するのは難しいと思います。
ただし、翌年になって、住民税の特別徴収額(前年度の給与所得を基に計算される)があなたの会社に通知されれれば、金額にもよりますが、会社が把握する可能性はわずかながらあるかと思います。あなたの会社が住民税の特別徴収を行っていない場合(普通徴収)は、まず把握されることはないのではないでしょうか。ただし、会社の就業規則に副業禁止規定がある場合、懲戒の対象になることはあります。
● 競馬での収入について
Q : つまらない質問で申し訳ないのですが、競馬が趣味の者です。
先日、競馬仲間から競馬で買った収入について税金を払わなければならないという話を聞きましたが本当でしょうか?
払わない場合に税務署から何か指摘されるのでしょうか?
A : 回答させていただきます。
基本的には納税の義務があると考えます。
本件の場合ですと、所得税の一時所得に該当すると思います。
ごく簡単に言いますと、勝った場合の収入金額から馬券代金を引き、さらに50万円を引いた金額を求めます。
求めた金額の半分が一時所得の金額です。
一時所得の金額は給与所得など他の所得と合算して、累進税率により税額を求めます。
よって、差引き金額が50万円以下の場合には、一時所得はないことになります。これは年間の合計額です。
税務署から指摘されるかどうかは、確定的なことは言えません。
要するに、その所得を税務署が把握していて、それについての行動を起こすか否かだと思います。
● 金融機関からの借入について
Q : 将来、起業を考えています。
創業時には開業資金が必要だと思いますが、自己資金ですべて賄うのがいいのでしょうか?自己資金で○割程出資して、残りの○割は金融期間からの借入金で賄うのがいいみたいなアドバイスがあれば嬉しいです。
また、国が無利子で融資してくれる場合もあるという話も聞いたことがあるのですが本当でしょうか?
A : 回答させていただきます。
といいましても、業種や規模が不明であるため、具体的なことはいえませんが。
すでにその業種で相当の経験を積み、かつ、独立した場合にあるい程度の取引先が確保できる場合は、融資は受けやすいと思います。20年間すし屋さんで板前として修行してきて、今度のれん分けすることになった、というような場合です。
「国」というのは、公庫融資のことだと思いますが、ネットで検索なども出来るので、されてみてはいかがでしょうか。
経験が浅く、取引先も確保できていないような場合は、融資は難しいでしょう。
抵当権が付いていない優良不動産があるとか、資産家の友人が保証人になってくれなければ、民間の金融機関は融資に応じないと思います。それ以外の、カードローン会社やかつての「商工ローン」のようなところからは、絶対に事業資金を借りてはいけません。金利が高すぎるからです。
分かる範囲でお答えできるのはこの程度かと思います。
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